ささら さや No.414
収録作品 トランジット・パッセンジャー 羅針盤のない船 笹の宿 空っぽの箱 ダイヤモンドキッズ 待っている女 ささら さや トワイライト・メッセンジャー
ささらさや。ささら という土地で さや という女性に起こる不思議。と言ってしまえばいいのだろうか。連作短編集。というのか、 長編というのか。誰にでもあるわけではないというか、普通、人にはない猶予期間を温かく描いた作品。うーん。まぁ、「パッセンジャー 」はよくたとえたな。と思う。わかりやすい。(02/11/22)
加納 朋子のページへ 作品名順一覧 さへ 読書日誌へ bk1 amazon
加納 朋子 1966年福岡県生まれ。文教大学女子短期大 学部卒業。92年に『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家としてデビュー。95年には「ガラスの麒麟」で第48回日本推理 作家協会賞(短編及び連作短編集部門)を受賞する。著書に『月曜日の水玉模様』『沙羅は和子の名を呼ぶ』『螺旋(らせん)階段のアリス』など。
幻冬舎 単行本 2001年10月10日第1刷 1,600円 ブックデザイン 幻冬舎デザイン室 カバー・本文イラスト 菊地健 2004年4月幻冬舎文庫(bk1 amazon)刊行
初出 「星星峡」 トランジット・パッセンジャー(1998年9月号) 羅針盤のない船(1999年9月号・10月号) 笹の宿(1999年12月号・2000年1月号) 空っぽの箱(2000年5月号・6月号) ダイヤモンドキッズ(2000年9月号 ・10月号) 待っている女(2000年12月号・2001年1月号) ささら さや(2001年6月号・7月号) トワイライト・ メッセンジャー(2001年7月号)
やさしくて 切ない ミステリ小説 ささら さや……。 逝ってしまったあの人に もう一度会わせてくれる 哀しくて懐かしい魔法 の音。 突然の事故で夫を失ったサヤ。 しかし不思議な事件が起きる度、ゴーストになった夫が 他人の姿を借りて現れる……。(帯)
サンキュ、サヤ。そして、バイバイ。 夫を突然の事故で失ったサヤは残された赤ちゃんのユウ坊とふたり「佐々良(ささら)」という街へ移住する。そこでは数々の不思議な事件がサヤの身にふりかかる。けれどその度に亡くなった 夫が他人の姿を借りて助けに来てくれるのだ。また、久代、夏、珠子という三人のお婆さんや、エリカとダイヤ親子というすてきな友達も できた。 しかし、そんなサヤに夫の実家がユウ坊を引き取りたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された……。 ゴーストにな った夫と残された妻・サヤが永遠の別れを迎えるまでの切なく愛しい日々を描く長編ミステリ小説。(帯)
悪くない。悪くないんだけど、揺さぶ
られませんな。いかにも、涙を誘う設定なのに。相性が良くないんか?話はおもしろかった。が、##死んだ夫に
起こった不思議。として書かれ始め、途中、夫側からの描写が一切なく、最後、もう一度、夫側からという構成はいいと思うが、現象を佐
々良が不思議な土地だからかもしれない。とかわざわざ説明のような説明は不要だったのでは?##別に、わかる必要ってこの話で
はないと思う。感興を削ぐ。夫が助けに来てくれるルールや、サヤが日常での小さな事件や、夫の実家とのやりとりを健気にも乗り越えよ
うとする姿は哀しくもたくましい。(ちょっとこいつ、どんくさすぎると、途中いらいらするものの…)サヤと老嬢(あの姦しさはばーさ
んというより嬢ちゃんだろう)とのやりとりもかわいらしく、ほほえましい。新米ママ、がんばれ。
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2005/06/05更新