探偵は今夜も憂鬱 No.865
収録作品 雨の憂鬱 風の憂鬱 光の憂鬱
うーん。ときどき、他人の人生をみて自分を反省することがあるけど。中編三話。寅さん(って実は1話しか見たことないけど)みたい に、主人公は毎回依頼人またはその近辺の女性に惚れる。ふられるところまでは書いてないが、誰も続けて出てこない。職業もフーテンに 近いものが。寅さん、探偵版。(04/12/26)
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樋口 有介 1950年、群馬県前橋市生まれ。国学院大学 文学部中退。劇団員、業界紙記者等を経て、1988年『ぼくと、ぼくらの夏』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞、作家デビュー 。1990年『風少女』で第103回直木賞候補となる。著書はほかに、『彼女はたぶん魔法を使う』『風の日にララバイ』『八月の舟』 『夏の口紅』『初恋よ、さよならのキスをしよう』がある。
講談社 単行本 1992年10月30日第1刷発行 定価1,400円(本体1,359円) 装画 峰岸達 装幀 熊谷博人 19 96年3月講談社文庫(bk1 amazon)刊行
初出 「臨時増刊小説現代」 雨の憂鬱(’91年10月15日号「恋をした日は雨が降る」を改題) 風の憂鬱(’9 0年10月20日号「彼女の別な場所」を改題) 光の憂鬱(’92年4月21日号「別れない男」を改題)
女にからきし弱いハードボイルド探偵がいたっていいじゃないか! 愡れた女の数だけ無理難題を背負い込む男― ―柚木草平(ゆずきそうへい)・38歳。今日も事件がやって来る!(帯)
「柚木さんて、女好きのくせに、女の本質を知らないところがあるのよね」と、流し目で俺と冴子の顔を見くらべながら、ちょっと下唇 を曲げて、葉子が言った。「顔の奇麗な女が心まで奇麗なら、わたしなんか今ごろは観音様になってるわ」「俺にとってはそのままでも、 じゅうぶん観音様に見える」 「つけを催促しないスナックのママは、柚木さんにとってはみんな観音様だものね」「今日は、なにか、日 が悪いのかな」 「奥さんとのことをはっきりさせないから、周りの人間が苛々(いらいら)するん じゃないの」「それは、俺一人が気合を入れたって、どうなるもんでもない」 ――「雨の憂鬱」より(帯)
こちらは、次作より探偵の口調は気に
なりません。普通。でも、なんで依頼人の関係者にいちいち美人がいるんだろうか。美人はトラブルを引き寄せる、美人はトラブルの近く
にいる。ってこと?柚木の基準が低いとか?テレビでシベリア鉄道で2度も美人と同じコンパートメントになった男の子に「コツは?」と
聞いていた。「何度でも乗る!」だって。とにかく依頼を受けていると美人遭遇率も高くなるってこと?うーん。あまり哲学的な考察では
ないですね。bk1、Amazonとも表紙画像なし。
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2005/01/01更新