ジェニィ Jennie No.321
猫好きでも猫好きでなくても感動を呼べる本だ。多分。生理的に猫、嫌いじゃないから、猫嫌いでも感動するかどうかわかんない。最初 に引用されている、ナーサリーライム、自分が知ってるのとヴァージョンが違った。スコットランドとイングランドの違いか?とにかく、 ギャリコの観察眼には、舌を巻く。巻末の解説に彼がスポーツ記者であったとき、プロと同じステージを体感したことが触れられていたが 、同じ手法で、一日中猫と同じステージを体験したのではないかと思わせる。24匹の猫と同居したと言うエピソードがあるくらいだから 、1匹の猫に張り付くのは難しくても、一日中次々と違う猫を見て、猫社会なるものを人間の言葉で創り上げるところまで観察したのだろ う。猫を見るのと同じ、暖かい瞳が、雪にそそがれたとき、「雪のひとひら」が生れたんだろうな〜。(02/07/14)
ポール・ギャリコのページへ 作品名順一覧 しへ 作品名順一覧 Jへ 読書日誌へ bk1 amazon
Paul Gallico ポール・ギャリコ ニューヨーク生れ。スポ ーツライターを経て作家になる。1941年に発表した『スノーグーズ』で一躍有名となった。無類の猫好きとしても知られ、猫を主人公 とした小説『ジェニィ』は世界中の読者から愛されている。著書は『ポセイドン・アドベンチャー』『雪のひとひら』『ハリスおばさんパ リへ行く』『ザ・ロンリー』『まぼろしのトマシーナ』など多数。 (1897−1976) Photo CAMERA PRESS/ORION PRESS
新潮文庫 キ 2 1(新潮社)2546 昭和54年7月25日発行・平成13年9月20日18刷改版・平成13年11月10日2 0刷 629円 訳 古沢安二郎 カバー装画 網中いづる カバー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室 昭和47年1月新潮社よ り刊行
二匹の猫の 恋と冒険と感動の 物語。 猫好きな著者が、 雌猫ジェニィに 永遠の女性の姿を託した、 すてきな大人の童話。(帯 )
突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、大好きなばあやに、冷たい雨のそぼ降るロンドンの町へ放り出された。無情な人間た ちに追われ、意地悪なボス猫にいじめられ――でも、やさしい雌猫ジェニィとめぐり合って、二匹の猫は恋と冒険の旅に出発した。猫好き な著者ギャリコが、一匹の雌猫に永遠の女性の姿を託して、猫好きな読者たちに贈る、すてきな大人の童話。(裏表紙 )
勝手な思い込みだけど、表紙の二匹の
猫の絵を見て、白い方が「ジェニィ」だと思った。なーんとなく。猫の描写が非常にリアル。飼い猫がいなくても猫の生活が垣間見れる。
##ラストでピーターは猫としての死を迎えるわけだが、だからと言って、これが夢だったのかなんなのか。とい
うことを確認?しにいくために、ジェニィと暮らした家具屋?を捜しに行ったりしない。夢は夢、現実は現実なのか。夢だということを理
解したのか。##ちょっとさみしい。なんとなく。でも、子供が持つあの超能力で猫としての自分の生はなんなのか。ということを
悟ったのかもしれない。まぁ、児童書?に近い本書、あんまり理屈こねすぎると却ってわけわかんなくなりそうなので、このへんで止めと
く。
著者名順一覧 き 著者名順一覧 G 本棚 上 中 下
2004/12/31更新