三都物語 Yokohama Taizhong Kwangju No.891
収録作品 樫の扉の向こう――横浜 一九九八年 鉛の残光――台中 一九九九年 落ちた柿の実――横浜 二〇〇〇年 驟雨 の夜――光州 二〇〇一年 昏き曙――横浜 二〇〇二年
割と気軽に読めた。船戸さんにしては。状況がわからなくて考え込むとか特になく。人が死にすぎることもなく。ただ、明るいわけでな く、情念と諦念。相反するような感情が地層になって三都を流れる。ずーっと、おじさんのあきらめ。みたいな話が続いて、最後に若者が 主人公になって、明るく終わるのかな。というところで、タイトルがやっぱり「昏き曙」だし。『蝕みの果実』野球・東アジア版 ?(05/01/16)
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船戸 与一
新潮社 単行本 2003年9月25日発行 本体1,800円(税別) 写真 getty images 装幀 多田和博
初出 「小説新潮」 樫の扉の向こう(2003年2月号) 鉛の残光(1998年7月号) 落ちた柿の実(2003年6 月号) 驟雨の夜(2001年9月号) 昏き曙(2002年8月号)
船戸与一の新境地 割れるような歓声さえ、魂の餓えを満たしはしない。 横浜、台中、光州。異国の球場に招かれた助っ人たちが味わ ったのは、黒社会の触手、野球賭博の蜜、そして未だ癒えぬ内戦の匂い。(帯)
アジアを蠢く男たち 雪島裕司 日本のチームでクビになった後、メキシコ、中国と渡り歩き、現在は台湾の球団のヘッドコーチ。黒い 交際が囁かれている。 金光洋昭 在日コリアンの元プロ野球選手。スライダーを武器に18勝を挙げた。だが、その選手生命はまだ断た れてはいなかった! 劉 東生 台湾の少数民族タイヤル族出身の投手。そのストレートは150キロ以上のスピードを誇る。ファンの熱 い期待を背負う逸材。(帯)
野球のことはよくわからないけど、そ
んなに、日本・韓国・台湾の間で選手は行き来しやすいのかな。それと、ある球団で一緒だった選手たちが球団を移ってもやっぱり一緒だ
ったということってそんなに多いのかな。まぁ、国を移るときは、あそこからそこへは行きやすいみたいなルートがあるのかもしれないけ
ど。あまり人がしなないと思ったけど、けっこう、1話1人ペースくらいで死んでる。それにしてもカルメンはすごい。持つもの。持たざ
るもの。これは勘違いの逆恨みか国民性か。なんだろね。
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2005/01/16更新