緋色の時代 KPACHOE BPEMR(原題は“R”が裏返し) No.73 5

あんまり人が死ぬのと、名前が覚えられないので、イヤになって、途中で投げてました。ま、終盤はやっぱりおもしろいです。にしても 、わりと、誰かに感情移入して読むタイプなので、善玉が全然いないストーリーは辛い。悪のヒーローだって、もっとかっこよければいい んだけどさー。人間は壊れる。または、最初から壊れた部分も持ち合わせて生まれてくる。ってことが理解できないとか、いやだなぁって ことじゃなく、そんな奴ばっかり出てくると、どう読んでいいのか思考停止する。まぁ、名前になじみがないので、誰がなんだったのかあ ぁ、もう。ってものある。人物相関図を作ろうかと思ったよ。また、幼名とか父姓とかさー。もう。(04/03/11)

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船戸 与一

小学館 単行本 2002年1月10日初版第1刷発行 上下各1,800円 装丁 多田和博 装画 北上健次 カバー・扉写真 惠 谷治 初出 「週刊ポスト」1999年5月28日号〜2001年8月10日号 2004年10月小学館文庫(上 bk1 amazon 下 bk1 amazon)刊行

待望の直木賞受賞第一長篇 一切か、無か? すべてはアフガンからはじまった。 1986年4月、アフガニスタン東部・パンジシー ル渓谷。物語はこの辺境の地に胎動をはじめる。日本の冒険小説をリードし続ける船戸文学史上最大の殺戳と流血のクロニクルの幕が、切 って落とされる(上巻帯)

「ソ連邦の侵攻を食い止めるためにアメリカはおれたちアフガーニを使い用済みになると芥屑(ごみくず )のように棄てた。まるで使用済のコンドームみたいにな。そのアフガーニがアフガニスタンの谷間に咲く真っ赤な芥子(けし)によって資金を調達し、アメリカに爆弾を仕掛ける。 「で?」 「社会主義を防衛するためにア フガニスタンで血みどろになって戦い続けたあんたらアフガンツィが芥子を使ってこれからロシア全体をさんざん食い散らかす。」 「そ れがどうしたんだね?」 「歴史の皮肉だとは思わんかね、これは?」 「ちがうね」振りかえって言った。 「どうちがう?」 「これ は歴史の必然なんだよ」 ――本文より(上巻帯)

死者累計800人!比類なき1900枚 殺すか、殺されるか! 混沌の街の甃(いしだたみ )が深紅に濡れる。 緋色は社会主義の旗色であり、コサックの自由の象徴であり、そして鮮血の色―。旧閉鎖都市エカテリンブル グでアフガン帰還兵が繰り広げる果てしなき抗争。映画『ゴッドファーザー』+『ディア・ハンター』とでも呼ぶべき圧倒的迫力!(下巻 帯)

「ドン・コサックの制服を見たことがあるかね?真っ青なズボン地に幅広の赤いストライプがはいっている。青はドン河の青い流れを表 わし、赤はコサックの自由を意味する。おれはその自由に憧れつづけた……」 「確かに自由は赤い」 「そのとおりだ、自由とは金 銭(かね)のために血まみれになることだった。真っ赤な血。アフガンから戻ると、それが日常にな った。」 「おれもだ、結局、緋色の時代に生まれたおれたちは緋色の時代を生きつづけるしかなかった、緋色の意味は違ってもな」 「 ロシアの大地にはひとつの原則が横たわっている。おれはそれから逃げられなかった。そして、おそらくおまえもな」 「何を言いたい? 」 「一切か、無か?アフガンから引きあげて以来、おれはずっとその囁きを聞きつづけて来た…」 「おれもだよ。一切か、無か?ロシ ア人はだれもがこれから逃れられない」 「そろそろだよ」 「何が?」 「緋色の謝肉祭(マスレニツァ ) ――本文より(下巻帯)

あぁ、長かった。けっこう、「展覧会 の絵」合うな。それと、「はげ山の一夜」も。うん。しみじみと地図を眺めて、うーん。ソ連はもうないのね〜。と。吸血鬼のマンガで、 「今はロシアだ」「(久しぶりに目覚めた吸血鬼が)ロシアならおれも知ってる。」というシーンがあって、えーっと、そのロシアとこの ロシアは違う…。みたいな。まぁ、日本も途中、変な名前になったりしたけど。まぁ、でも、日本って入ってるもんなぁ。ソビエトって、 どういう意味なんだろう。きっとなんか意味があるんだろうけど。あぁ。高校教育が役に立ってない。てゆーか、教えてもらったかも記憶 にない。


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2005/02/20更新