午後の行商人 No.642

主人公は話の外側にいるのか。内側にいるのか。わたしなのか、ぼくなのか。それともタランチュラなのか。なんか、映画にできそうな 話だ。ラストが印象的。といっても、何が残るというわけでなく、その絵が焼きつくような。ラストです。(03/09/12)

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船戸 与一

講談社 単行本 1997年10月15日第1刷 2,100円 装丁 多田和博 写真 八木博 イラストレーション 金本進  『週刊現代』(’96・5・11、18〜’97・7・12号)に40枚強の加筆修正を加えた 2000年9月講談社文庫(bk1 amazon)刊行

怒りの熱き銃弾! 非情の復讐者、その名はタランチュラ。 先住民の武装蜂起に揺れるメキシコ辺境。 待望の冒険小説巨篇、(帯 )

ぼくはメキシコ自治大学に留学中の日本人学生。 オアハカ州の酒場で刃傷沙汰を目撃した帰りに追い剥ぎに襲われたが、タンランチュ ラと名乗る行商の老人に奪われたものを取り返してもらった。彼に関心を持ったぼくは、強引に頼み込んで、一緒に行商の旅に出ることに なった……。(帯)

帯の文句が、最後、「、」で終わって いるのは、何か続きがあったのかもしれません。図書館で借りたので、帯を切って表紙を開いたところにはってあるので、続きがあったり とか、背になんか書いてあってもその部分は切り取られていて分かりません。まぁ、図書館から借りた本全体にいえるんだけど、珍しく文 が終わっていないような感じなので。さて、青年が体験した物語は##夢か、幻か。タランチュラは何故助けに行 かないか。必要がないからか。終わったことだからか。そして、彼は本当は一体何者だったのか。##すべてがすーっきり終わる。 というわけではないので、謎を残してほしくないタイプの方(Kaijuのような)のはオススメできないかもしれない。冒険小説として は…。どうかな。青年の変化の物語として読めばおもしろいのではないだろうか。成長とはあえて言わないけど。##彼がパスポートを焼くシーンより、カメラが壊れた後の反応##が一番好感をもてました。そうかそうか、そうだ ったのか。えらかったねぇ。みたいな。ん、なんか、自分の位置が高いか?


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2004/12/31更新