ダックスフントのワープ No.572

収録作品  ダックスプントのワープ  ネズミ焼きの贈り物

なんちゅー希望のないラストや。と思うのは私だけじゃないと思う。中編2本が収録されている。表題作は作中作というか、主人公が家 庭教師の生徒を相手に語って聴かせる創作がけっこうおもしろい。哀しく美しい物語かもしれない。しかし、主人公の性格がぜんさくひん 似てる。何ゆえの無関心なのか。というか無頓着なのか。いや、頓着するものが違うというか。うーん。(03/06/19)

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藤原 伊織  1948年2月17日、大阪生れ。東京大学文 学部仏文科卒。1985年、『ダックスフントのワープ』で 第9回すばる文学賞を受賞。1995年、『テロリストのパラソル』で第4 1回江戸川乱歩賞を受賞。

集英社 単行本 1987年2月25日第1刷・1996年2月14日第3刷 1,262円 装丁者 林恭三

初出  「すばる」 ダックスプントのワープ(1985年12月号)  ネズミ焼きの贈り物(1986年8月号)

第41回(1995年度)江戸川乱歩賞受賞『テロリストのパラソル』作家―― 衝撃のデビュー作! 感性の好い、知的な寓話と絶賛 された第9回すばる文学賞受賞作。(帯)

著者より 幼稚であることは恥ではない。しかし、学生時代にあった泡のような議論を思うと冷や汗が流れる。そのテーマはいつのまに か大学闘争の大波に沈没していった。だが、その名残りは私のなかに生き残っていたようである。それが小説のかたちをとり、十年まえ、 ここに漂いついた。その問題とはこの作品にあるある一行を借りれば、虫の命を踏まず野原をわたることは可能か。そういうことである。 そして、いまもそんなことをときにぼんやり考える。 1995年8月 藤原伊織(帯)

表紙のダックスフントくんがかわいら しいのに騙された。とでもいうのだろうか。読後感はあまり……。爽快ではない。寓話……なんだろうか。確かに、赤頭巾の猟師は狼の腹 を裂くし、イワンの兄たちは背中の皮を剥がれちゃうけど。赤頭巾は助かるし、イワンも火を手に入れるんでは?宝だっけな?怪物をやっ つけるだったかも。忘れた。まぁ、なんというかなんというか。切ないとかじゃなくて、むなしーぞーーーーー。って感じ。充足感がない 。主人公が自己完結してるというか。よくわからんです。bk1は表紙画像なし。


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2004/12/31更新