本格ミステリ03 二〇〇三年本格短編ベスト・セレクション No.616
収録作品 凱旋 彼女がペイシェンスを殺すはずがない 曇斎先生事件帳 木乃伊とウニコール 百 万のマルコ 目撃者は誰? 腕貫探偵 GOTH リストカット事件 比類のない神々しいような瞬間 ミステリアス学園 首切り監督 別れてください 論理の悪夢を視る者たち<日本篇> 本格ミステリに地殻変動は起きている か?
久々にアンソロジー。あまり好きじゃないのだ。知らない作家を発掘するのは楽しいけど、あとで、好きな作家の短編集を買って、「あ 、これ、もうどっかに収録されてた」と、思うのが。有栖川有栖の『スイス時計の謎』(自分で買ってないけど)そうだったもんなぁ。そ れはそれとして、最近の作品たちを一同に集めたものを読めるというのはおもしろい機会でした。しかし、鯨統一郎の「ミステリアス学園 」連作短篇集の途中の1本ってのは勘弁して欲しかった。こういうのってあり?(03/08/16)
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北村 薫 1949年埼玉県生まれ。早稲田大学卒。在学中はワセダ・ミステリ・クラブに所属。89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年には『夜の 蝉』で日本推理作家協会賞を受賞している。『覆面作家は二人いる』『冬のオペラ』などの本格ミステリだけでなく、SF的設定を施した <時と人>三部作など、多彩な活躍をみせる。近著に『街の灯』がある。本格ミステリ作家クラブ事務局長。
大山 誠一郎 1971年生まれ。京都大学文学部史学科を経て、現在、翻訳家として活躍している。訳書にエドマンド・クリスピン 『永久の別れのために』とニコラス・ブレイク『死の殻』がある。
芦辺 拓 1958年大阪府生まれ。同志社大学卒業後、読売新聞社に入社。86年 『異類五種』で幻想文学新人賞佳作入選。90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。森江春策が難事件に挑む『時の密室』 『グラン・ギニョール城』などの創作だけでなく、アンソロジーの編纂者としても活躍。近著に『名探偵Z』『明智小五郎対金田一耕助』 がある。
柳 広司 1967年三重県生まれ。01年、トロイア遺跡発掘現場で起こった殺人事件を描いた『黄金の灰』で長編デビュー。同年 、夏目漱石『坊っちゃん』の後日談をミステリー・タッチで描く『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞を受賞。近著 に、ダーヴィンが探偵役となる『はじまりの島』がある。
貫井 徳郎 1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、不動産会社勤務を経て、9 3年、幼児連続殺人の捜査と新興宗教へのめり込んでいく男をカットバックの手法で描いた『慟哭』でデビュー。以降、『修羅の終わり』 『天使の屍』や、公式に捜査できない事件を扱う警視庁の特殊チームを描く<症候群>シリーズなど、現代的なテーマと謎解きを融合させ た作品を発表している。近著に『神のふたつの貌』『殺人症候群』などがある。
西澤 保彦 1960年高知県生まれ。米エカード大学卒。高知大学助手など を経て、95年に『解体諸因』でデビュー。SF的な設定と本格を融合させた独自の作品世界を構築。代表作に、大学の仲間たちが酒席で 推理合戦を繰り広げる<匠千暁>シリーズ、超能力者がからむ事件を解決する<神麻嗣子>シリーズなどがある。近著に『ファンタズム』 『リドル・ロマンス』がある。
乙一 1978年福岡県生まれ。17歳のときに第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞した『夏と花火と私の死体』でデ ビュー。ホラー短編集『天帝妖狐』『石ノ目』、眼球移植を題材にした初長編『暗黒童話』、サスペンス・タッチの『暗いところで待ち合 わせ』など、ホラーだけでなくミステリ関係者にも注目される作品を次々と発表する。近著に『GOTH リストカット事件』『さみしさ の周波数』がある。
有栖川 有栖 1959年大阪府生まれ。同志社大学卒。89年『月光ゲーム』で デビュー。『46番目の密室』から始まり、『朱色の研究』『マレー鉄道の謎』へと繋がる犯罪社会学者・火村英生と著書と同名の探偵作 家のコンビが活躍するシリーズは高い人気を誇る。近著に『まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る』、評論集『迷宮逍遥』がある。本格 ミステリクラブ会長。
鯨 統一郎 96年「邪馬台国はどこですか?」が第3回創元推理短編賞の最終候 補作となり、98年同作品を表題作とした歴史推理の連作集でデビュー。『金閣寺に密室』『鬼のすべて』など、最新の歴史学、民俗学を 本格に援用する作品を次々と発表している。近著に『ふたりのシンデレラ』『みなとみらいで捕まえて』がある。
霞 流一 1959年岡山県生まれ。早稲田大学卒。在学中はワセダ・ミステリ・クラブに所属。94年、横溝正史賞佳作入選作『お なじ墓のムジナ』でデビュー。『フォックスの死劇』『ミステリークラブ』など紅門福助が活躍するシリーズで、笑いと本格を融合させる 独特の作風を確立。タイトルに動物の名を冠した作品が多いことでも知られ、近著に『デッド・ロブスター』『呪い亀』がある。
青井 夏海 1960年生まれ。慶応義塾大学卒。94年に自費出版した『スタジアム 虹の事件簿』が話題となり、01年、自宅出産専門の助産婦が、妊婦の巻き込まれた事件の謎を解く『赤ちゃんをさがせ』でメジャーデ ビュー。同年、『スタジアム 虹の事件簿』も文庫化される。近著にアンソロジー『蒼迷宮』に収録された「大空学園に集まれ」がある 。
千街 晶之 1970年北海道生まれ。立教大学卒。95年『終わらない伝言ゲーム――ゴシック・ミステリの系譜』で第2回創元推 理評論賞を受賞。著書に『ニューウェイヴ・ミステリ読本』(共著)、笠井潔・編『本格ミステリの現在』がある。「週刊朝日」「週刊文 春」などに書評、コラムを連載しているほか、近著に『怪奇幻想ミステリ150選』がある。
笠井 潔 1948年東京都生まれ。79年、『バイバイ、エンジェル』でデビュー。同書に登場した矢吹駆を探偵とする連作は『サ マー・アポカリプス』『薔薇の女』『哲学者の密室』『オイディプス症候群』と書き継がれていく。評論家としても幅広い活動を展開し、 代表作に『テロルの現象学』『探偵小説論序説・T・U』、編著書『本格ミステリの現在』では第51回日本推理作家協会賞を受賞。近著 に評論集『徴候としての妄想的暴力』がある。
本格ミステリ作家クラブ・編 講談社ノベルス(講談社) 新書 2003年6月6日第1刷 1,250円 ブックデザイン 熊谷直 人 カバーデザイン 辰巳四郎 解説 佳多山大地
旬の味 大特売!(表紙)
2003年本格短編ベスト・セレクション 旬の作家による、選りぬきの本格短編11本に、評論、解説を加えた完全本(パーフェクト・ブック)!(巻末の最新刊案内)
本格ミステリ作家クラブが選んだ2002年のベスト本格ミステリ短編&評論のすべて!(裏表紙)
久々のアンソロジー。短編集について
は森博嗣氏と意見は一緒。気にいった作家の短編がたくさん入っているほうが、いろいろとりまぜよりいい。ってことです。ま、存在は否
定しません。これも、おもしろくなかったとは別に言いません。お得感がないだけ…。