嫁洗い池 THE SPECKLED CAT No.675

収録作品  娘たち  まだらの猫  九寸五分  ホームカミング  シンデレラの花  嫁洗い池

表紙の絵が、第1弾に続いて、主人公の妻であるところの「奥さん」がこちらに顔を向けていない。やはり、どんな顔をさせても、「( 理想と)ちがうぞ!」と思われてしまうからだろうか。それとも、やっぱり、現実的にはこんな妻はいない。ということだろうか。しかし 、河田のような夫を持った世の妻たちはヒヤヒヤものでしょう。よそのお宅でなにしとんじゃ。それにしても、主人公の情けなさは身につ まされる。そこへ河田みたいなバリバリな友が「相談」(妻に)やってくるってのも面白い構図だ。シリーズは続くのだろうか 。(03/11/04)

芦原 すなおのページへ 作品名順一覧 よへ 読書日誌へ bk1 amazon


芦原 すなお  1949年香川県生まれ。早稲田大学文学部 卒。同大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞受賞。1991年、同作品で第105回直木賞受賞 。『東京シック・ブルース』等、著書多数。

創元推理文庫 M あ 4 2(東京創元社)430 02 文庫 2003年5月23日初版・2003年6月13日再版 600円  カバーイラスト 西山クニ子 カバーデザイン 東京創元社装幀室 本文図案 西山クニ子(原案 芦原すなお) 解説 喜国雅彦  ’98年3月文藝春秋より単行本刊行 bk1 amazon

初出  「オール讀物」 娘たち(’96年2月号) まだらの猫(’96年7月号) 九寸五分(’96年11月号) ホー ムカミング(’97年2月号) シンデレラの花(’97年5月号) 嫁洗い池(’97年9月号)

直木賞(『青春デンデケデケデケ』)受賞作家が描く美食(グルメ)と推理(ミステリ)の主婦探偵再登場! 密室内での吹き矢による毒殺事件等安楽椅子探偵譚の魅力が横溢する連絡推理短編 集!(帯)

『ミミズクとオリーブ』ですっかりお馴染みになった讃岐出身の作家とその奥さん、そして同窓の刑事との絶妙な掛け合いによって進行 する連作推理小説集の第2弾です。今回は、日頃出歩かない奥さんが、同窓会のために帰郷中、体調を崩して寝込んでしまいます。そうと は知らず八王寺の家にやってきた河田刑事は、電話で名探偵の推理を聞きだそうとするのです。それやこれやで、本書はまさに究極の安楽 椅子探偵物語と言えるでしょう。そして、同郷の漫画家、喜国雅彦氏による名解説もお見逃しなきように。(帯)

東京郊外に妻と二人で住む作家のぼくの許に、同郷の悪友、河田警部が美味しそうな食材を手にやってくる。すると、妻は料理の腕に勝 るとも劣らない推理の冴えを見せ、捜査のヒントを示唆する。それに従って、ぼくたちがちょっとした再調査に着手する、とあら不思議!  どんな難事件も見事な解決を見るのだ。 『ミミズクとオリーブ』でお馴染みになった台所探偵の事件簿第二弾は、さらにパワーアップ し、密室内での吹き矢による毒殺事件をはじめ、目撃者もおり、本人も罪を認めているという、どう考えてもこれ以外に真相はないと思わ れる事件に新たな道筋を示すといった、安楽椅子探偵ものの極致ともいうべき作品六編を収める。(p1)

『ミミズクとオリーブ』に引き続き、作家とその妻、そして同郷の刑事が繰り広げる掛け合いの妙が、何とも言えない直木賞作家による 安楽椅子探偵ものの第二弾。そして、郷土料理を中心に、本集でも読むだけで涎の出そうな料理や食材の数々が登場する。大根の雪花、イ リコ、塩アンの丸餅、アラメ、ヒャッカ、豆腐の兄弟煮、関東炊き……。美食と推理の華麗な競演をお楽しみあれ。(裏表紙 )

ラストでなんと、##河田警部がNYへ転勤##してしまう。これにて、シリーズ終了か、はたまた何年後か(という設定で)に再会さ れるんでしょーか。


著者名順一覧 あ 本棚    
2004/09/18更新