ミミズクとオリーブ AN OWL ON THE OLIVE No.662

収録作品  ミミズクとオリーブ  紅い珊瑚の耳飾り  おとといのおとふ  梅見月  姫鏡台  寿留女する め  ずずばな

「ぼく」と「妻」の食卓に河田がやってくる。という設定はなかばパターン化してきている。最初の事件は別の友人が持ち込んでいるが 、やはり、何度も事件を持ち込むのは刑事の方がありえるだろう。自宅で仕事をする作家とその妻という設定では事件が持ち込まれるとい うパターンがほぼ必然だから、これは当然のなりゆきか?探偵の友人とかもありえたかもなぁ。(03/10/18)

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芦原 すなお  1949年香川県生まれ。早稲田大学文学部 卒。同大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞受賞。1991年、同作品で第105回直木賞受賞 。『東京シック・ブルース』等、著書多数。

創元推理文庫 M あ 4 1(東京創元社)430 01 文庫 2000年10月20日初版 本体520円+税 カバーイラスト  西山クニ子 カバーデザイン 東京創元社装幀室 解説 加納朋子 ’96年4月文藝春秋より単行本刊行 bk1 amazon

初出  「オール讀物」 ミミズクとオリーブ(’94年2月号) 紅い珊瑚の耳飾り(’94年8月号) おとといのおとふ (’94年11月号) 梅見月(’95年2月号) 姫鏡台(’95年5月号) 寿留女(’95年8月号) ずずばな(’95年11月 号)

直木賞(『青春デンデケデケデケ』)受賞作家が描く新感覚の安楽椅子探偵登場! 芦原すなおファンに美味しく、食いしんぼさんにも 美味しく、その上ミステリ・ファンにもおいしい ――加納朋子(帯)

美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を解決してしまう、そんな新しい安楽椅子探偵が本文庫に登場しました。 八王子の郊外に住む作家の奥さん――ご主人の高校時代の恩師のお嬢さん――がその安楽椅子探偵なのです。優れた人間観察から生まれる 名推理、そしてそれに勝るとも劣らないほど美味しそうな手料理の数々。その随所に著者の語り口の見事さがうかがえます。さすが、『青 春デンデケデケデケ』で直木賞を受賞した筆の冴え、と唸るばかり。続編もありますから、乞うご期待!(帯)

八王子の郊外に住む作家のぼくのもとへ、大学時代の友人が相談にやってきた。謎めいた文言の並ぶ書き置きを遺して、奥さんが家出し たという。自慢の手料理を給仕しながら友人の話を聞いていたぼくの妻は、たちまち奥さんの所在を突き止めてしまった。さらに、高校時 代の友人で刑事をしている男の自慢話を聞いている内に、女社長殺しの捜査ミスを見つけたばかりか、事件の真相をも言い当ててしま う……。ひょっとしてぼくの妻は、料理の腕前ばかりでなく、推理能力にも長けているのだろうか?! 直木賞作家が《安楽椅子探偵》の 歴史に新しい一ページを切り拓いたシリーズ第一弾!(p1)

讃岐名物の「醤油豆」。焼いたカマスのすり身と味噌をこね合わせた「さつま」、黒砂糖と醤油で煮つけた豆腐と揚げの煮物。カラ付き の小海老と拍子木に切った大根の煮しめ。新ジャガと小ぶりの目板ガレイ(ぼくらの郷里ではこれをメダカと呼ぶ)の唐揚げ……次々と美 味しいものを作るぼくの妻は、なんと名探偵だった! 数々の難問を料理するそのお手並みを、とくとご賞味あれ。(裏表紙 )

第1作のみ、河田刑事じゃなくて、別 の友人が相談にやってくる。その後パターン化されたのは、よかったんじゃないでしょうか。安楽椅子探偵モノとは言っても、話を聞いた 後に、刑事の河田と「ぼく」が調査に行ったりするので、まず、河田の話でざっと事件を知り、「ぼくの妻」の頼む調査で、ポイントが読 者にもナントナク解る。という構造なんでしょうか。わかんないときは、なんで、そんなん調べるの???と思いつつ読むのもまた楽し い。


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2005/02/27更新